
俳優キム・ジェジュンの挑戦は常に堅実で信頼できるものだった。すでに20年以上!そうだ。歌手デビュー21年、俳優としても20年の活動だ。その間、誰もが疑わない実力の歌手として、また着実な演技活動で示した結果として、彼は一度も頂点の座を譲ったことがない。そんなキム・ジェジュンにとって今回の挑戦は一瞬!賭けをさせるものだ。だからこそ新鮮で好奇心をそそる挑戦の場。まさにそのキム・ジェジュンがブチョン国際ファンタスティック映画祭に招待された『真オカルトジャンル映画』でレッドカーペットを踏んだ。日本の監督クマキリ・カズヨシが演出した韓国映画<紳士: 悪鬼の囁き>は、日本の廃神社を訪れた大学生の失踪事件に投入されたパク・スムダン名進(キム・ジェジュン)が大学の友人ユミ(コン・ソンハ)と共に悪鬼の正体を暴くオカルトホラージャンルの作品だ。
そうだ。私たちが知っているそのパク・スムダン。しかし美大出身のジェントルで洗練された青年パク・スムダンとは、今回は私たちが全く見たことのない新しいパク・スムダンだ。名進は神を見るスーパーパワーを持っているが、これを拒否し普通に生きていたが、自分の運命を悟り受け入れる過程を辿る。ダークヒーローとしての内的葛藤、メロ的な感情線、そして悪鬼と対決する一対一のアクションまで、この映画は今まで見たことのない『キム・ジェジュンジャンルのほぼすべて』だ。インタビューをする間、内心『シリーズ物』の欲望まで見え隠れするほど、今回の作品を通じて彼が見せるものは多種多様だ。キム・ジェジュンに会い、初公開を前に期待が高まる中、作品のビハインドストーリーも聞いてみた。

ブチョン国際ファンタスティック映画祭『マッドマックス』セクションに招待されましたが、ジャンル映画ファンと会う感想をお願いします。
いつもメディアで名前だけ聞いていた映画祭に私が来ましたね。(笑)こうして俳優として招待されることを光栄に思います。特に私が初めて挑戦したジャンル作品でファンの皆さんや多くの映画ファンに見せることができる機会なので、期待が大きいです。
オカルトジャンル映画を期待するファンには特に嬉しい作品ですが、仰ったように既存の作品で見せていたメロキャラクターの姿を脱ぎ捨て、新しい試みだと思いました。普段ホラージャンルに対する好悪も気になります。(笑)
私はずっと一人で住んでいたので、ホラー作品はあまり見ません。一人で見ると怖いですから。(笑)<隠れんぼ>のようなスリラー作品だけ見ても、現実でそんなことが起こると思うと本当に怖がります。実際、私はそんな状況が夢に出るほど怖いです。しかし今回撮影をしてみると、現場では幸いにも怖くて恐ろしいものはありませんでした。しかし完成版が出る前に後半作業に行って編集版を見た時は、実際に非常に怖かったです。(笑)私の映画ですが、私は一人では見ないでしょう。
特にどなたと一緒に見たら安心できると思いますか。(笑)
もちろん一緒に作業した俳優の皆さん、スタッフの皆さんと一緒に見ると思います。多くのファンの皆さん、観客の皆さんが一緒に見てくださると、恐怖が和らぐと思います。
日本の監督と韓国の制作会社が出会って作られた作品ですが、今回の作品に参加することになったきっかけは何でしたか。最初に提案を受けた時の感想も気になります。
日韓合作制作のように韓国と日本の映画人が集まる作品でした。そしてこれを1ヶ月余りで撮影しなければならない厳しいスケジュールだったので、少し怖がりました。技術的な部分を除いて、意外と恐怖はありませんでした。難しいという考えよりも、私が俳優としてジャンル作品に挑戦することが大きな機会だと思いました。特に監督が持つ演出力、感受性。そして映画制作において枠を持った韓国の制作会社が出会えば、良いシナジーを生むことができると思いました。そんな環境で一緒に仕事をしてみたいという思いが大きかったです。
実際、ジェジュンさんにとって演技活動をする上で日本の仕事がかなり大きな割合を占めています。フジテレビドラマ<正直じゃなくて>(2010)を始めとして、日本のプロダクションでの経験が多いです。映画の背景、主要撮影地が日本の神戸市ですが、日本の監督と韓国の俳優たちと一緒に作業しながら、両方の環境を経験した俳優の役割が大きかったと思います。
私を除いて、皆さんが日本語ができませんでした。通訳はありましたが、監督の正確なディレクションや演技に関するコメントを伝える時、言葉ではサインができても感情的に説明できない部分もありました。そんな時、ブリッジ役を果たしました。特に俳優たちに1人1通訳がないため、私は時々通訳として役割を果たすこともありました。監督の指示の下、俳優たち各自のキャラクター分析に差が出ることがあるので、そんな微妙な点で私が役割を果たしたと言えるでしょう。

パク・スムダン名進に挑戦されましたが、『美大出身のジェントルで洗練されたK-シャーマン』名進は既存のシャーマンのイメージから脱却した新世代の価値観を代弁するキャラクターですが、興味深い点が多く読み取れるキャラクターです。
シャーマンと言えば観客の皆さんに浮かぶ伝統的なイメージがあると思いますが、名進は現在全くそんな活動をしていない普通の美大出身の青年です。実際、祖母から受け継いだ能力、スーパーパワーを持つ人物なので、その能力を活用すれば多くのお金を稼ぐこともできるのですが、自分が持っている能力がどこに役立つのかもよく分からないのです。その能力を動員して無理に良い生活をしたいという欲望がない友人です。だからこそ、ボロボロの家で普通に暮らしていたが、事件に直面し、自分の能力を発揮し変化していく人物です。名進は博識を持っているわけではありませんが、神の存在に対する信念は持っている友人なので、実際に事件に出会うと本能的にすぐに対処できる能力を持っています。
既存のシャーマンのイメージから脱却するという点でビジュアル的な設定と変化も必要なキャラクターでした。
本当に韓国でよく見られるシャーマンのイメージとは大きく異なります。鈴やこれらも似ているようで新しく見えると思います。特に儀式を行う時の形式や祈り文のような呪文も異なり、興味を引くポイントです。
キャラクターを作り上げる際に参考にした作品や人物はありましたか。キャラクターを作り上げる際に監督とどの点に重点を置かれましたか。
名進が出会う事件が重要なのですが、過去に好きだった人の彼氏が殺されることで、奇妙に誤解が絡んだ話が映画に盛り込まれています。一度愛した人の痛みを見守ることで来る苦痛を表現することもありますが、一方で非常に久しぶりに出会った昔の恋人を見て感じる気まずさのような感情も隠せないのです。強いて言えばツンデレのような人物でしょうか。(笑)
自分のアイデンティティに対する悩みだけでなく、メロ的な感情線も大切にしながら、一方で事件の解決過程でアクションも予想されますが。
私が後半に悪鬼と一対一で戦うシーンがあります。名進が後半に行くと感情表現も大胆でボリュームも上がります。観客の皆さんは、「えっ、韓国のシャーマンがあんなアクションをするの?」と驚かれると思います。(笑)アクションだけでなく感情の幅も広いです。その一シーンだけで感情が少なくとも4、5回揺れ動いて、名進の心理を好奇心を持って見守るシーンでもあります。このシーンを撮影する時、ワンテイクで撮影をしたので瞬間集中、エネルギーが本当にたくさん必要でした。2回目でOKカットが出たのですが、難しかった分、後半の爆発力を期待しても良いと思います。(笑)観客の皆さんにもぜひ見守っていただきたいシーンです。

後半のアクションシーン撮影の難しさだけでなく、廃屋が主舞台なので撮影現場も厳しかったと思います。
現場は本当に苦痛でした。映画の中の背景に私が本当に入っているような湿った感覚が現場でも感じられました。撮影現場から出ると体がとても疲れて、撮影中に風邪を引いたり、体調を崩したりした記憶があります。こうした気配が逆に映画の状況をよりリアルにしてくれるでしょう。(笑)その不気味な雰囲気が観客の皆さんに伝わると思います。
マイナーに認識されていたオカルトジャンルが最近では国内だけでなく、全世界のホラー映画トレンドでも逆に観客から多くの反応を得ているのですが、今回の作品もそんな流れを引き継ぐ作品として期待が大きいと思います。
ものすごい期待感を膨らませてお話しするのは気が引けますが、(笑)オカルトホラージャンルを日本の監督の感性で作ったという点では信じて見ていただけると思います。特にホラー映画を見ながら芋を飲み込んだようなもどかしい感じが減ったということは保証します。(笑)場所を一つ見せて、インサートカットが入っても意味が合致し、映画の流れに重要な影響を与えるものが詰まった映画です。ああ、映画を見れば確実に名進の過去が気になると思いますが、私が映画を撮りながら考えたのは、この作品はぜひシリーズ化されるといいなと思いました。シリーズとして発展させて、もっと多くの物語を展開できる映画だと思います。
また最近、歌手デビュー20周年記念アルバム『フラワーガーデン』を発売し、しっかりと歌手の地位で良い姿を見せていますが、俳優としての経歴も今やかなりのものだと思います。先日映画<太極旗を翻して>(2004)が20周年再公開されましたが、作品の中で遺骨発掘団として登場し『キム・ジェジュン探し』でその後話題になった記憶も少し引き出してみます。俳優としても着実な活動を見せていますが、もうすぐMBNドラマ<悪い記憶消しゴム>も公開予定ですが、アーティストキム・ジェジュンにとって舞台活動と俳優の姿が今や複数のトラックで共に回っているという気がします。今の自分を自己評価していただけますか。
一方に偏った活動は好まないです。例えば歌手活動はすでに21年ほど経ちましたが、時々私に『もう他の分野に集中してみてはどうか』と勧めてくださる方がいます。新しい姿を応援してくださる気持ちからのアドバイスですが、実際にはそれとは異なる道を選ぶことになると思います。一般的に歌手の寿命は短いという先入観がありますが、私はむしろ歌手としての姿を最大限見せようという考えを持っています。後輩たちが私の姿を見て、先に活動している先輩が舞台に着実に立つ姿を見て勇気を持てるように、一生懸命努力したいです。その中で演技活動ももちろん一生懸命やりたいのですが、私が仕事をしながら感じたのは、時間が経つにつれて演技と歌手活動を並行するリスクが減っている時代になっているということです。私自身が非常に先入観や偏見のない人なので、やりたいことが本当にたくさんあります。これからも多様なものに触れ、またやりたいです。
シネプレイ イ・ファジョン 客員記者